──でも、見えないところにプリクラが一枚あるだけなのに、スマホがいつもと違ってすごく大切なものに思えた。
座っていたベンチを立ち上がり、「じゃあ、特にすることもないし、帰るか!」そう言うと、みんなも賛成するように立ち上がる。
そして、途中まで一緒の帰り道を賑やかに話しながら歩いた。
「──それじゃ、私、こっちだから!」
横にある道を指差して、足を止めるとみんなも足を止めて私の方に目をやった。
「へー、お前ん家、そんなとこからいけんだな。気をつけて帰れよー。いざって時はこのレッドライトザクロ……」
「日向こいつはきにすんな!気ぃつけてな!寄り道すんなよ!」
「迷子にならないように気をつけろよ日向ちゃん」
「もし迷子になったら、近くにある寿司屋の名前言えば飛んでく」
「ひひ、日向!また明日な!!」
「日向、気をつけて」
もう、みんな私のことバカにしすぎじゃないかな。
迷子とかならないし。
今からいくの家だし。



