警察にばれたら捕まっちゃうかもだし、暴走族に恨みがある人がみたら、きっとただじゃすまされない。
でも、私には宝物の一枚。
私はバックの中から眉を切る用のハサミを出して、その一枚を切り取った。
「お前、なにしてんだよ?」
「んー?」
自分の手元に集中してるせいで、茜に生半可な返事を返しながら、切り取ったプリの裏のシートをはがした。
一本の指の先にプリをくっつけてから、スマホのカバーを外す。
そして、ペタリ。
スマホの本体に貼り付けた。
「…えへへっ」
本体についたそれを眺めながら、笑みをこぼすと「お前なに一人で笑ってんだよ、コエーな」と茜が言ってきた。
そんな私と茜のやり取りをみてか、みんな私のスマホの裏を覗き込んでくる。
「あーあ、本体にはっちゃって。はがしたくなってもしらねぇぞー」
「本当にそのプリクラでよかったのか日向ちゃん?」
「これでもう、透けてるカバーはつけらんねーな」
「でも日向!そのスマホ超いい感じだね!俺もしよっかなー」
「お、おれ、日向とお揃いにするっす!」
「私は貼らないからね?」
みんな口々にそう言いながら、でも、嬉しそうにほんのちょっぴり目元を緩めていた。
なんだ、みんなだって気に入ったくせに。
素直なのは、ミッキーとまーくんだけか。
なんて考えながら、私の目元も緩んでく。
そしてそのままスマホのカバーに手をかけて、大切な宝物に蓋をするように。
宝物を宝箱にしまうようにそっと。
────カチリ、スマホにカバーをつけてプリクラに蓋をした。
手には、いつも通りの私のスマホが握られている。
見た目もなにも変わってない。



