──── 一波乱あったけど、ちゃんと水着も買えて、さっきのことがなかったかのように私たちはまた明るく喋りながら、…って言っても主に私が喋りまくってるんだけど、とりあえず、集合時間に寿司屋の前に着いた。
でも、チラリと“それ”を見てから茜に訴えるように視線を戻した。
「……ねぇちょっと、美影怖いんだけど」
「仕方ねぇだろ、買い物中も“それ”だったんだからよ」
それ、とは。
何を食べようかずっと一人でぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ…呟いている、という状態だった。
さらにいうと、いつになく幸せそうに柔らかい雰囲気を醸し出している。
忘れてるかもしれないけど、美影は茜にも負け劣らず美形だ。
かっこいい、というよりは綺麗って感じなんだけど。
だけどまぁ、ここまで幸せオーラを出しているとイケメン度がより一層増して見えるのも事実。
あ、通りかかった可愛い女子2人が目をハートにしてる。
それも美影を見て、かっこいいとか呟いてる。
や、あの。
この人さっきからそっちに聞こえるくらいのボリュームでぶつぶつ呟いてるんですけど。
なんて私の気持ちが伝わったのか、
「なんか呪文みたいなの聞こえない?」
「…あのかっこいい人から聞こえてこない?」
「んなわけないよー、多分その横にいるスキンヘッドの厳つい人じゃない?」
ヤダーコワイ、そう言いながら早足にこの場を去っていくその2人に私の胸は激しく痛んだ。
まっ、まーくん…!!
「あああ!まーくん!そんな落ち込まないでぇぇ」



