真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




なんて考えていると朝陽さんが、こっちを向いた。



「そういえば俺と君、ここの常連なのに始めて会うな」


「あ、本当ですね」


「二人とも、丁度違うときにきてたもんな。ちなみに朝陽、そいつ日向って言うから」


「あ、日向です」



自分の自己紹介するの忘れてた。

ぺこりと頭を下げて言うと、柔らかい笑顔で私のほうに微笑みかける朝陽さん。



「日向ちゃんか。可愛い名前だな」





きゅん。




…………なにこの人!?

天然タラシ!?


その素敵な笑顔で可愛いとかいっちゃうの!?


な、名前のことだけど!
名前のことだけど!




「あああ、ありがとうございます…」


ちょっと照れながらそう返すと、そんな私のほうを見て龍騎さんが苦笑いする。




「すまねぇな、天然タラシなんだそいつ。気にすんな」



「て、天然タラシってなんだよ、ひでーな!褒めただけだろ?な、日向ちゃん」



「あ、いやー…はい」





いや、だからその褒めただけってゆーのが天然タラシなんだと思います。


なんて言わず、とりあえず苦笑いを返しておいた。



「まぁ、お前らは2人で話してろ。おれはちょっと仕事してるから」