なんて考えていると朝陽さんが、こっちを向いた。
「そういえば俺と君、ここの常連なのに始めて会うな」
「あ、本当ですね」
「二人とも、丁度違うときにきてたもんな。ちなみに朝陽、そいつ日向って言うから」
「あ、日向です」
自分の自己紹介するの忘れてた。
ぺこりと頭を下げて言うと、柔らかい笑顔で私のほうに微笑みかける朝陽さん。
「日向ちゃんか。可愛い名前だな」
きゅん。
…………なにこの人!?
天然タラシ!?
その素敵な笑顔で可愛いとかいっちゃうの!?
な、名前のことだけど!
名前のことだけど!
「あああ、ありがとうございます…」
ちょっと照れながらそう返すと、そんな私のほうを見て龍騎さんが苦笑いする。
「すまねぇな、天然タラシなんだそいつ。気にすんな」
「て、天然タラシってなんだよ、ひでーな!褒めただけだろ?な、日向ちゃん」
「あ、いやー…はい」
いや、だからその褒めただけってゆーのが天然タラシなんだと思います。
なんて言わず、とりあえず苦笑いを返しておいた。
「まぁ、お前らは2人で話してろ。おれはちょっと仕事してるから」



