私の茂の声を遮った、突然の大声。
それにビクッとした伽耶は、私の焦りようと、さっきの私の、海の写真を見たときの表情を思い出して何かを悟ってしまったみたいだった。
「日向、あんたもしかして海が──」
「なんも、ない」
────“怖いの?”とは、言わせなかった。
心配する伽耶を、ばっさり、切り捨てた。
踏み込むな、とでも言うように線を引いてしまった私に、伽耶は傷ついたような顔をした。
その顔をみて、私の胸もズキリと軋む。
──あ、痛い。
この言葉は、この行為は、相手を傷つけるって知ってるけど。
でも、ゴメン。
だって、みんなが海を楽しみにしてる。
私だって旅行を楽しみにしてる。
それをぶち壊すことはしたくない。
たかが私の過去一つで。
だから茂、余計なこと言わないで。
心の準備をしないで、いきなり実物大の海の写真があったからフラッシュバックしちゃったけど。
ちゃんと、事前に知ってて、心の準備が出来てれば本物の海みてもフラッシュバックはしないはずだから。
怖くない、大丈夫。



