真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】


その道は、脆く、細く、少しの衝撃で壊れてしまうのに。



今の幸せな生活を壊したくない───“自己保身”、その言葉が彼らにはぴったりだ。





「なんとか言えよ」


気づいたら自分の顔から表情が消えていて、歩の声で我に返った。



てゆーか、なんとか言えって言われても困るんだけど。



「別に買い物してただけ」



無表情で歩をみてそういうと、歩は一瞬顔を歪めた。




──ねぇ、あんたは何を考えてる?



顔を歪めたかったのも、なんでって顔をしたかったのも、全部私なんだけど。


…にしても、これ以上ここにいると余計なことに気づかれる可能性がある。



心の中の焦りを感じ取られないように、伽耶の手をとって


「いこう、伽耶」


声をかけ、青嵐の幹部の奴らに背を向けて歩き出す。


二歩。進んで。


3歩目を踏み出そうとした時、


「──あれ、でもお前は海には、「っ黙って!!!」」


気づいてしまったらしい茂が声を出した。


それを焦って遮る。






──こいつらは、私の過去を知ってる。




私の、海のトラウマも。


だから去年の私が青嵐の姫だった夏は、海にはいかなかった。



というより、私に気を使ってか、海に行こうと言い出す奴がいなかった。