真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】



もう治ってるはずなのに、なんて思いながらその場所に手を当てた。



そういえば夕のせいでヒビが入ってから、もうすぐ1ヶ月だ。



明日くらいにでも病院行かないと。



そんなことを考えながら、私を見る夕の目線が文化祭の前と変わっていないことに呆れてしまった。




せっかく茜が、文化祭のときにあんたたちが真実に近づけるヒントをあげたのにね?



きっと青嵐の中でも葛藤はあったはず。


迷いはあったはず。




私が思うに、文化祭の後、混乱した青嵐には2つくらいの予想が浮かんだはずなんだ。




これは私の予想でしかないけど、多分──



茜が文化祭の時に言った、


『かき乱されてんのも、
真実を知らねぇのも、
足元が崩れかけてんのも、

──全部おめぇらだよ』



この言葉で、“もしかしたら柚姫は日向にいじめられたと嘘をついたのかもしれない”という予想が一つ浮かんだはず。




そしてもう一つは、私が白龍の仲間だと知って、“もとから白龍の仲間で青嵐を陥れてかき乱すためにわざと俺らに近づいた”という予想。



でもきっとこいつらは自分達が信じる方を間違えたなんて信じたくなくて、後者を選んだんだ。



茜が真実を知る道を目の前に描いてあげたのに、こいつらは自分達の憶測で間違えた嘘の、偽りの道を描き足した。



そして余計に真実から遠ざかる道を歩いて行く。


全ては篠原柚姫の思惑通りに。