「…なんで」




ポツリ、独り言のように呟いた言葉。





それは、茜によって拾われた。


「お前がどういう風に青嵐と過ごして、どういう風に裏切られたのか。詳しいことは知らねぇ、」


そういえば、私は白龍の皆に、青嵐にいて追い出されるまでなにがあったか詳しく話してなかったんだ、なんて気づいた。

茜のほうにパッと顔を向けると、また意地悪く笑ってた。


「でもな、たぶん青嵐にいた時と今の状況が違ぇんなら。それは今のお前が、青嵐にいたときとは違ぇからだ」



「それって、どういう…」



「お前は覚悟をもって白龍にいる。一回裏切られたのに乗り越えた、強さがある。喧嘩もできる。……これが、今のお前。青嵐にいた頃とは大分違ぇだろ?」



ニッと笑って言った茜に、私は気づかされた。



茜が言ったことも、確かに前の私とは違う。


でももっと、決定的に違うところ。