真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




「なにお前百面相してんだ」



茜は私の頭から手を離して立ち上がりながら、意地悪に笑って言った。


もういつも通りに戻ってるし。



「べっつに、百面相なんかしてないしーっだ」


調子狂うなぁ。なんて思いながらぷいっと顔をそらした。


立ち上がった茜は、まだ続いていたまーくんとミッキーの喧嘩をみて「んだあれ?」首を傾げて私に聞いてきた。



「おい、あいつら、俺のほうが日向を…とかなんとか言ってるけど、なにしてんだ?」


「や、な、なんか。………ミッキーが私のこと好きになったとか言いはじめて」




口ごもりながらもそう言うと、ピッシャーンと効果音がつきそうなくらい衝撃的だという顔をされた。


茜の大好きな学校の近くのパン屋さんのパンを、私が食べたことがないと言ったときよりもすごかった。



でも、わからなくもない。


ミッキーが突然私のことを好きになるとか、どういう状況だって感じだ。




それに。



私がまだ、青嵐の姫だったときに篠原柚姫に言われた言葉が頭を横切った。



『──誰もあんたを
好きにならないって──』



私は、青嵐にいた時、恋愛対象じゃなかった。


「仲間」だったのか。

もう、今じゃよくわからないけど。


でも、言えることは一つ。

私は「女」として見られてなかった。


しいて言うなら、「女友達」。





────なのになんで、今は2人から好かれてるんだろう。



わからない。


なにが違うんだろう。