近づいてくる顔に、ドキリと心臓が高鳴った。 潤んだ目と唇。 髪の毛についた葉を取るにしては、近すぎる距離。 こいつがなにをしようとしているか、わかった。 けど、身体は動かなかった。 そのまま、全てをわかっているのに拒むこともせず。 顔と顔とが近づいて近づいて──── そいつの赤い潤んだ唇と、俺の乾いた唇が一瞬重なった。 チュッとリップ音をたてて離れていく唇を、ぼーっと眺めながら停止し続ける。