『ねぇ、ねぇ、中森くん!』
『……』
呼びかけられた声に、俺は無言で隣の席のやつを見る。
『中森くんの顔、見たことないから見てみたい!』
なんで、今日初めて喋ったやつにそんなことしねぇといけねぇんだ。
うっぜぇ、そう思いながら無視するとそいつはストレートロングの黒髪を揺らして俺に詰め寄った。
『ひっどい!なんで無視するの!それも授業以外で喋ってるの聞いたことないし!』
大きい目で俺を覗き込むように見ながら、ぷくっと片方の頬を膨らます。
つか、声がでけんだよ、声が。
今は、授業と授業の間の休み時間。
とは言っても、比較的可愛いこいつが俺に大きい声で話しかけているのが謎なんだろう、クラスの人はすごい見てきた。



