そして俺は荒れまくった。
好きだった演技は、しなくなった。
テレビも見なくなった。
事務所との契約は切った。
これが子役の宿命だったのかな、なんて1人で悟って笑った。
ブランドとして俺を見てくる女子の目に入らないようになろうときめて、前髪を厚く伸ばした。
ふわふわっと緩くウェーブのかかった癖っ毛は、ストレートにして。
俺は一転して地味になった。
何もかもが平和で、静かな日常。
夢もとくには抱かなくなった。
なんだろう、なんてゆうんだろう。
今までが非日常、こっちが日常。
そう、節目をつけることができたような気がした。
──いや違う、自分に言い聞かせてただけだ。
別に俺は演技なんか好きじゃない。
そう、自分に。
地味に過ごすことが当たり前にはなったけど、母さんとの隙間は修復できなかった。
母さんは、明るく笑うこともなくなった俺に遠慮しながら話しかけてくる。
前みたいには、話しかけてくれない。



