ミッキーの口からは、痛々しいくらい乾いた笑い声がこぼれた。


「ははっ…、ごめんな日向。俺がお前のこと避けたせいで傷ついただろ?」



「そんなことっ…」



そんなの、ミッキーに比べたら全然辛くないのに。


過去って大きすぎるくらい大きくって。


私たちは誰かに背中を押してもらわないと踏み出せないもの。


もし踏み出せたとしても、なんかのきっかけでふらついて、また過去に覆い尽くされる。


そういう、もの。




「ヨエーんだ、俺。日向、俺に聞きに来るの怖かっただろ。勇気いるもんな。……俺も、旅行いきたいし。話すよ、過去のこと。

─────救って、くれんだろ…?」



最後の声は痛々しいくらいに弱くって。


痛々しいくらい、掠れてた。


それだけで私の心臓はきゅううって締め付けられて、涙がでそうになってしまった。