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『だーるーまーさーんーがー』


──パタパタパタ

砂浜をかける足の音。



『こーろーんーだ!』


──ピタッ




『だーるーまーさーんーがー』




──あはははははっ

みんなの笑い声が聞こえる。


私の目の前に、鬼の子が崖のほうを向いて立っている。


下は、海。


でもそんなことも気にせず、私の手はその子の背中に向かってのびていった。


よし、あと一歩。



『ターッチ!!』


──ドンッ





やったあ、と満面の笑みを浮かべた私。

私の手によって、崖の下に落とされたその子。



私の顔から笑顔は消えて。


伸ばした手は、空を切っただけだった。




───私があの子を突き落とした。


─私があの子を。



『人殺し!死んでよ!』

『私の人生をめちゃくちゃにして!なんでこんな子産んじゃったのよ…』

『汚い、犯罪者!誰もあんたを許しちゃいないのよ!』




───ごめんなさい、ごめんなさい。





『独り暮らししてもらえる?悪いけど一緒には暮らせない』


『顔見せに来たりしなくていいから。というより、しないでよ。気分悪い』




───やめて。




『汚い!!!触らないでその手で!』


『汚い、人の命を奪った手のくせに!』





や、



───

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「…っや、めてぇぇ!!」




はぁ、はぁ、はぁ、荒くなった呼吸はなかなか直らない。


苦しい。




頭でリピートするさっきの言葉。




「消えてよ、きえて、きえてきえて」



髪の毛をぐしゃぐしゃに握りしめ、頭をおさえる。


なんでこんな夢、みなくちゃいけないの…。




もう、やだ。

私の中から消えてくれれば。


なんて、無責任すぎるよね。



青嵐の仲間になってからは少なくなってたはずのフラッシュバック。


なんで今になってまたでてきちゃうんだろう。


起き上がって時計を見ると、10時半くらいになっていた。



けっこう、寝ちゃった。




───ぎゅるるるる。



ベッドから立ち上がると、鳴り響いた私のお腹の音。


そういえば、帰ってきてからなんにも食べてなかった。


ご飯作るのも、めんどくさいし。



…久しぶりに、あそこにいくかな。