「どーするかなぁぁー」
いや、聞けばいいんだよね。
拒絶されてでも、直接聞けば。
でもその勇気が、出ない。
「別にどうでもいいけど、さっさと仲直りでもしとけ。じゃねーと周りの奴らも気まずくて仕方ねーだろ」
「うっ。やっぱみんな私とミッキーの変な態度気づいてるよねぇ…」
「ったりめーだバカ。あれで気づかねぇ方がすげぇだろ」
「バカってなにさバカってー!茜のほーがバ……」
ああ、茜って頭いいんだった。
くっそー。
なんでこんな完璧なんだよ、もう。
なす術がなくて、とりあえず腹いせにあっかんべーってした時、旧美術室の扉がガラリと開いた。
「茜さん、ひなたー!終業式おわったぞ!帰りま……日向お前なんて顔してんだ」
そんなドン引きしないでよ。
傷つくんですけど。
派手に。
そんな私をみて意地悪く口角を上げて笑った茜は、鞄をもって椅子から腰を離した。
「はぇーな、夏休みか。おい日向てめぇ、さっさと幹夫と仲直りしろよ」
前を歩いて教室から出て行く茜のそんな言葉にムッとして返す。
「だから、できたらとっくに──」
「夏、皆で旅行いかねーのかよ」
クルリ、半分振り向いて。
口角を上げて笑った茜に、私の心臓はドキリ、自然と跳ねた。
…って、え?ドキッてなによ心臓くん。
謎の胸の高鳴りに首を傾げる。
──それよりも!!
ムッとしていた顔も、一瞬でパァッと明るくなっていく。
夏、旅行、みんなで。
「っ、いく!!」
「じゃーさっさと仲直りしろよ」
夏の熱い日差しに金髪をキラキラ反射させながら。
「今年はどこいくんすか?」
なんて聞く南の横を歩いていく茜。
──心臓が、鳴り止まないのはなんでだろう。



