周りを見渡して、目の前のリーダー格の奴は顔を引きつらせる。


暗闇だからわかりにくいけど、きっと顔は青い。




「は、はなっ……ヴッ!」



震える唇で“離せ”、そう言いかけたそいつの顔に素早く膝蹴りを入れた。


そして最後まで言い終わることなく、そいつは後ろに倒れていった。


ピリッとしていた空気が、また和やかに戻ったのを感じ取り、「ふーっ」と一息つく。


ううー、膝痛い。


フードをパサリ、被って、笑顔でみんなのいる方へ駆けていく。



「茜!今の何分だった!?」