1人いるってことは────
「さっすが、白龍のみなさん」
やっぱり、他にもいた。
笑いながらこっちに近づいて来るのは、20人の男たち。
どこにいたの、こんなに。
警戒するように、ニヤニヤ笑うそいつらの前にでた茜とタカ。
「んだおめーら」
低い声で茜がそう問うと、そいつらはニヤニヤしたまま口を開いた。
「俺らは、青嵐の傘下の族。俺らで白龍をぶっ倒して青嵐の人たちに認めてもらう。てことで──やられてもらうよ?」
その顔は、自信たっぷり。
恐怖なんか、一欠片もない。
自分の力を過信して疑わない。
────この人たちは、弱い。
そう判断した私と同じく、みんなもわかったみたいで。
茜とタカは俺ら下がってるから、お前らだけでやれば?と言い後ろに下がった。
「任されましたー!」
「いくぞ、日向」
「油断すんなひぃちゃん」
「──ハッ、当たり前」
私とモヤシダさん、大仏くんと暁。
横に並列して、20人いる集団に向かって歩いていく。
20対4だから──ひとり5人。
頭で計算しながらリーダー格を睨みつけて不敵に笑顔をむけた。
ゴキゴキ首を鳴らして、
「そんなヨユーぶっこいてていいのかねぇー?」
そう言いながら、ニヤニヤ笑って敵の奴らも近づいてくる。
「それも、あらら。その子が噂の青嵐の元オヒメサマかな?手加減してあげないとなー?」
リーダー格のヤツの後ろにいた男が、バカにするようにそう言うと20人の集団は下品な大爆笑につつまれた。
あんまりうるさくしないでほしいなー、お巡りさん来ちゃうよ?



