真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




「てゆーか、お前なんで死にかけてたの?」


「…いや、まぁいろいろあって」





言葉を濁してごまかすと、聞いた本人はさほど興味もなさそうに頬杖をついた。



「ふーん?別に良いけど」



なんて言いながら、手に持っていたメロンパンを食べ始めた男。



ちょ、調子狂う。




あ、さっきの袋、パン屋のだったんだ。




ぼーっと、美味しそうだななんてパンを見つめる。







…てか、あれ?なんで私普通にこの人と話してるんだろう?



私と話してると、青嵐に目つけられるって言う噂知らないのかな?



にしても、転校生?



……むしろ誰?





「…一応、授業中だよね?転校生?何年生?名前は?」


「あ?授業中?知るかっつの授業なんて今年一回もでてねーわ」


「いやいや、威張るなよ!で、転校生?」


「あーまあな。一応今年転校してきた」


え、今年?

昨日とかじゃなくて今年?


てことは、転校してきてから一回も授業出てないの?


まって、今何月だっけ?


6月…。


転校してきてから、二ヶ月ほどたってますけど!!




「…それってやばいんじゃないの?何年生?」



一応この学校、テストの成績上位者はそれなりに出席日数誤魔化してくれるけど…。




「二年…あー、何組だったか忘れたわ。ちなみに名前は藤代茜(ふじしろ あかね)」



「茜…結構可愛い名前だね、見た目に合わず」




ほんの少し笑いそうになってしまったのを慌てて隠す。


いや、名前が変で笑ったとかじゃないよ!?ただもっとこう…厳つい感じかと。



髪の毛はほぼ金だし、目がキリッとしてるせいかものすごく目つき悪く見えるし。


予想に反して可愛い名前だったから、笑いそうになってしまったんだ。



そんなことを考えながら、ちらりと藤代茜のほうをみる。