「てゆーか、お前なんで死にかけてたの?」
「…いや、まぁいろいろあって」
言葉を濁してごまかすと、聞いた本人はさほど興味もなさそうに頬杖をついた。
「ふーん?別に良いけど」
なんて言いながら、手に持っていたメロンパンを食べ始めた男。
ちょ、調子狂う。
あ、さっきの袋、パン屋のだったんだ。
ぼーっと、美味しそうだななんてパンを見つめる。
…てか、あれ?なんで私普通にこの人と話してるんだろう?
私と話してると、青嵐に目つけられるって言う噂知らないのかな?
にしても、転校生?
……むしろ誰?
「…一応、授業中だよね?転校生?何年生?名前は?」
「あ?授業中?知るかっつの授業なんて今年一回もでてねーわ」
「いやいや、威張るなよ!で、転校生?」
「あーまあな。一応今年転校してきた」
え、今年?
昨日とかじゃなくて今年?
てことは、転校してきてから一回も授業出てないの?
まって、今何月だっけ?
6月…。
転校してきてから、二ヶ月ほどたってますけど!!
「…それってやばいんじゃないの?何年生?」
一応この学校、テストの成績上位者はそれなりに出席日数誤魔化してくれるけど…。
「二年…あー、何組だったか忘れたわ。ちなみに名前は藤代茜(ふじしろ あかね)」
「茜…結構可愛い名前だね、見た目に合わず」
ほんの少し笑いそうになってしまったのを慌てて隠す。
いや、名前が変で笑ったとかじゃないよ!?ただもっとこう…厳つい感じかと。
髪の毛はほぼ金だし、目がキリッとしてるせいかものすごく目つき悪く見えるし。
予想に反して可愛い名前だったから、笑いそうになってしまったんだ。
そんなことを考えながら、ちらりと藤代茜のほうをみる。



