だって、俺の考えついた憶測は、俺が疑問に思っていたことが全て解決されるものだったから。
全部のつじつまが、納得のいくように合うものだったから。
俺が疑問に思っていたこと、日向に聞きたかったことの。
一つは──日向が前叫んでいた言葉。
放課後、いじめられてたのかなんなのか。
女子トイレの近くを通った時にトイレの中から、怒りに満ちた大声が聞こえてきた。
『もう一回私の仲間を馬鹿にしたら…!!そんときはぜっっったいに許さねぇから、覚悟しろっ!!!』
──────仲間?
あいつには、他に仲間がいるのか?
誰のことを言っているのか分からなくて、それをずっと聞きたかった。
もう一つは昨日の文化祭一日目の劇の時。
本気で殴ろうとする青嵐の下っ端の拳を可憐によけた日向。
前なら、ビビって腰でも抜かしていたんじゃないかというくらいなのに。
冷静にそいつの動きを読み取って、凡人とは違う速さでよけたと思ったら────日向は音もなく一歩踏み込んだ。
殴ろうとする下っ端の正面にいたはずの日向は、流れるように下っ端の横について。そしてまた流れるように、そいつの首の後ろに肘を入れた。
音もない。
無駄もない、速い動き。



