*中哉side*
俺にはあいつが、わからなかった。
高1の春。
あいつ──日向は、無垢だった。
辛さも過去も比べるものじゃねぇけど。
あいつから聞いた過去は、俺らの過去よりも悲惨なもので。
でも、黒にも染まらず。
グレーにも染まらず。
光の宿らない目で生きているのに、汚れのない白をまとっている日向が不思議だった。
辛いはずの心の中を押し殺して、光のない目で生きるあいつを───笑わせてやりたいと思った。
だから俺は仲間にした。
仲間にした、ハズだったんだ。
──だけど今の、目の前の状況はなんなんだ。



