真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】



私の目元から手を離して、茜は作戦を決行した。



「あと、青嵐の総長とやら。日向は白龍の姫じゃねぇよ?もっとふっかーい仲」



意味深な発言をした茜に、中哉は眉を寄せる。



「…それってどういう──」



──今だ。


戸惑ったような声をだした中哉を遮るように私は行動を起こした。


さっきから私に野次を浴びせてきていた青嵐の下っ端の1人の首元を掴んで、自分の顔に引き寄せる。




拳を振り上げて──


「こういう、こと」



そいつの顔に当たるギリギリのところで、ピタリ、止めた。





凡人とは違う、スピード。

顔の急所を狙った的確な拳。


青嵐の下っ端くらいのやつなら、怖気づかせることができる殺気。