「この学校の生徒だったら、ここの制服着てんのはあたりめぇだろーが」
ハッとバカにしたように鼻で笑い、そう言った茜に、青嵐の幹部たちが驚いたような表情になった。
私たちから離れたところにいる、野次馬の人だかりもザワつく。
そんな幹部と周りを気にも止めず、茜はそのままの表情で続けた。
「俺らが日向に騙されてるわけねぇだろ、バカか。あと敵対してる族がかき乱される心配するよりも、てめぇらの足元──ちゃんと見た方が良いんじゃねぇ?
かき乱されてんのも、
真実をしらねぇのも、
足元が崩れかけてんのも、
────全部おめぇらだよ」
全てを知っている茜の言った言葉に、真実を知らない青嵐の幹部の動揺を隠しきれない声が聞こえてきた。
「な、に言ってんだよ?強がりか?俺らは真実を知ってる、しらねぇのはお前の方だ」
「俺らが、何にかき乱されてるってゆーんだよ?ハッタリはやめとけよ〜」
そんな歩と茂の言葉に、茜はプッと笑いを漏らした。
へ?
またチラリと顔を見ると、茜は意地悪な笑みを貼り付けたまま。
でも目が、見てわかるくらい怒りに染まっていた。



