真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




そんな私の心の中も知らずに、騒ぎ始める周りの野次馬。


黄色い女子の声が聞こえてきて、そういえば茜の顔ってすごい整ってるんだっけなんて思う。



でも、そんなうるさい声の中でもかき消されることなく、低いその声は響いてきた。





「…てめぇ…!!白龍の幹部!!」




鋭い殺気を放って、私を包みこむ茜に声をあげたのは夕だった。



どんな顔をしているのかは、わからないけど。



きっと夕はものすごい形相なのに、茜はいつも通り平然としているんだろう。


周りの野次馬の声が少し、小さくなった。


そして、そんな夕の言葉に茜が白龍の幹部だと気づいたのか、青嵐の幹部が口々に茜に威嚇する。



「なんで、ここにいる…!?それもなんでウチの制服きてんだよ!」


「なんだ?喧嘩でも売りにきたのかよ〜?それも、そいつの仲間?フッ、笑わせてくれるね〜」



「お前らも花崎さんに騙されてんのか。気の毒に。せいぜい族がかき乱されないといいな?」



その言葉に、ピクリともしない茜に対して、私の肩はビクッと揺れた。