ひっく、ひっく、と声をだして泣く私の頭の上で茜のフッと笑う声が聞こえた。
そして、私にしか聞こえないような、
「おめーは1人で溜め込みすぎだ、アホ」
優しい声色で、茜はそう言った。
「言っただろ?辛いときは寄りかかれよ。助けてって言えばお前1人ぐらい助けてやれるって」
もう、声がだせなくて。
情けないくらい、喉の奥が熱くなって。
私はただひたすらに頷いた。
なんで茜は、ときどき優しくなるの?
なんで、私が辛いときにいつも現れてくれるんだろう。
いっつもは、私が抱きつくだけで顔真っ赤にしてテンパるくせに。
なんで今は、────悔しいくらいにカッコいいの?



