真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】



ひっく、ひっく、と声をだして泣く私の頭の上で茜のフッと笑う声が聞こえた。



そして、私にしか聞こえないような、





「おめーは1人で溜め込みすぎだ、アホ」




優しい声色で、茜はそう言った。



「言っただろ?辛いときは寄りかかれよ。助けてって言えばお前1人ぐらい助けてやれるって」



もう、声がだせなくて。

情けないくらい、喉の奥が熱くなって。



私はただひたすらに頷いた。


なんで茜は、ときどき優しくなるの?


なんで、私が辛いときにいつも現れてくれるんだろう。



いっつもは、私が抱きつくだけで顔真っ赤にしてテンパるくせに。




なんで今は、────悔しいくらいにカッコいいの?