真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】


もう少しで、下駄箱──というところで。



会いたくない人たちが前から歩いてきた。


なんでこうも毎回タイミングが悪いんだろう。




「っ…!」


私の顔が自然と引き攣った。



それと同時に、前の人たちの足も止まる。



──青嵐の幹部と、篠原柚姫。


楽しい気持ちが、沈んでいく。


朝、夕に言われた言葉が頭に浮かんで。


私の足はまた震えそうになる。


ピタリ、足を止めて向き合う私たちを一般の人たちはよけていき、この学校の人はなんだろうと興味本位でちょっと足を止めた。



「よぉ──朝ぶり」


ハッと鼻で笑いながら、一歩前にでてそういった夕。


そんな夕に続いて、久しぶりに見た茂も口を開いた。


また、なんか言われるのか。


私、まだ、耐え切れるかな?



「またうちの姫、いじめてくれたんだって?てゆーかいい加減気づきなよ〜、お前はもう俺らとは他人なの、わかる?」


しってる、わかってる、でも関わってきてるのはあんたたちだよね?


私は関わろうとなんてこれっぽっちもしてないよ?


でも、直接それを言われるのはやっぱりまだムリだ。


──最近我慢していた、泣くこと。


──大丈夫だって、言い聞かせて保ってきた心の中。



これ以上、何かを言われて私は耐え切れる自信がない。



でも、こんな奴らの前で。




──泣きたくなんか、ないよ。