真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】


耳元で発せられた言葉に、私の頭の中は真っ白になった。

背筋がスゥッと寒くなる。



抑えきれないくらい、足が震えて。


強く保っていた表情も、自分でもわかるくらいに弱く、まるで何もかも失った後のような表情になった。





青嵐には、その言葉は言って欲しくなかったよ。


直接、お前なんか襲われればよかったのにと言われた気持ちになった。


そのまま固まる私を残して、夕は「誰かこいつに接待ゆずってくれねぇ?」と言いながら皆の輪の中に入っていく。


1人で、固まっている私を残して。



気まずそうにしていた皆も盛りあがり始めた。


中哉もいつの間にかいなくなっていて。


ぼーっとしたまま、震える指先同士を握り合わせて自分の席に座った。




──大丈夫。


──大丈夫だ。


──だって私は白龍。


──今日は皆が、来てくれる日。





我慢していた涙が溢れそうになって、ぐっと堪えた。


皆にあえば、こんな気持ち。


すぐに吹っ飛ぶよ。




──だから、早く皆に会いたいよ…。