でも、青嵐と目を合わせたら私はきっと平常心を保てなくなるから。
目線は反らして。
そんな私に気づいたのか、なんなのか。
夕は舞台の上なのに、私にしか聞こえない声で呟いた。
「…お前さっき、ガチであいつのこと倒しただろ」
ば、ばれてる…。
でも、答えたくないから私は目線を合わせないで別のところに目線をおいたままにする。
──はやく、倒してほしい。
だってもう、足が震えそうでどうしようもない。
今だ目線を合わせない私の肩に手がのった。
「…日向」
目を合わせろ、とでも言うように。
中哉は私の名前を呼んで、肩に手をのせた。
──でも、足が震えて。
私はやられる演技をして、ステージで倒れた。
ドクンドクンとはやる心臓に手をあてて、彼らがまた演技を続行するのを見守ってから。
小さく、息をはいた。
私のあやふやだった恋──中哉が好きだと言う気持ちは、もうすでに消えてたんだと気づかされた。
触られても、名前を呼ばれても。
ドキリ、ともしない。
ただひたすらに恐怖が心を蝕むだけ。



