それでも、このまま涙を流すのはあいつらに負けたみたいで悔しくて。
誰が見ているわけでもないけど、せめてもの抵抗で、目にたまった涙を零さないように必死に堪える。
そしてそのまま屋上から出ようと扉に手をかければ、
「──で。そこに誰かいるよね」
突然の茂の声に、ビクッと肩が揺れた。
ば、れてた…?
でも私だとは気づかれてないはず──、
「入ってきた時から、バレバレ~。バカだねー?…ね、日向ちゃん?」
気づいてたんだ。気づいてて、ワザとそんなこと言ってたの?
大嫌いって?性格悪いって?
なんで?なんのために?
────もしかして、みんな、ずっとずっと私のことをウザいって思ってた?
最初から私のこと大嫌いだった?
別に仲間になんかしたくなかった?
あの優しさはつくりもの?
今の言葉が今まで私に抱いていた本心?
────私の過去を聞いたから、汚いって思ったの?
そんなわけないって、分かってるけど。
グルグル回る思考は止まらない。
あんなに優しかったはずなのに。
今は彼らが。



