真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】





それでも、このまま涙を流すのはあいつらに負けたみたいで悔しくて。



誰が見ているわけでもないけど、せめてもの抵抗で、目にたまった涙を零さないように必死に堪える。



そしてそのまま屋上から出ようと扉に手をかければ、





「──で。そこに誰かいるよね」






突然の茂の声に、ビクッと肩が揺れた。




ば、れてた…?





でも私だとは気づかれてないはず──、





「入ってきた時から、バレバレ~。バカだねー?…ね、日向ちゃん?」





気づいてたんだ。気づいてて、ワザとそんなこと言ってたの?


大嫌いって?性格悪いって?





なんで?なんのために?






────もしかして、みんな、ずっとずっと私のことをウザいって思ってた?





最初から私のこと大嫌いだった?

別に仲間になんかしたくなかった?

あの優しさはつくりもの?

今の言葉が今まで私に抱いていた本心?






────私の過去を聞いたから、汚いって思ったの?







そんなわけないって、分かってるけど。



グルグル回る思考は止まらない。





あんなに優しかったはずなのに。



今は彼らが。