真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】

「お、おぉ…」



なにげにイケてるかもしれない!!


ちょっと気に入ってしまった私は、ヘラッとその子に笑いかけて「ありがとう」とお礼を言った。


「べつにっ」


プイとそっぽを向いて、白いパーカーを渡してから歩いて言ってしまったその子。



なにげに、いい子もいるもんだなぁ。

なんて思いながら、私はブラウスの上からパーカーをきてフードを被った。




『──次は2年3組お願いします』



そしてその放送が聞こえてきて。


最初に出る人が幕が下がっているステージにでていった。


もちろん、幹部の2人と篠原柚姫と下っ端役の子たちだ。


姫はフリフリのワンピースで、それ以外の不良は皆、特攻服。


幕が上がると。


楽しそうに平和に過ごしているシーンが少し続いて、外を歩いているシーンで後ろを歩いている篠原柚姫がさらわれた。


ちなみにさらうシーンは、ダンボールでできた薄っぺらい車がうしろから近づいていって姫の口を押さえて連れ去るって感じ。


それも車役の人達、「ぶーん」とか言ってる。





なにこれ?

幼稚園のお遊戯会?



いやいや、無垢な幼稚園がこんな謎なお題の劇はやらないよね。




それも、姫がさらわれて車が行ってしまってから「あれ!?」「まさか、さらわれた…!?」とか演技している人たちがものすごく間抜けに見える。




私、この劇に参戦するの、ヤダなー…。