真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】



篠原柚姫が、可笑しさを堪えきれないと言うような笑顔でニッコリと笑った。



──でも、彼女に心を乗っ取られている彼らはそれに気づかない。





……はは、なんだかなぁ。




私、なんもしてないじゃんか。



私のことを、信じてくれなかったのは、あんた達じゃんか。






なんでそこまで言われなきゃいけないんだろう。






口から笑いが溢れそうなのとは裏腹に、心臓がまた、痛い。



こいつらのことなんかで、もう傷つきたくないのに。


こんな奴らのことを、いつまでも引きずっていたくないのに。





でも、ズキズキと壊れそうなくらいの胸の痛みは止まらない。




もういっそ、このまま胸が壊れてしまえばいいのに。



…そしたらこんな痛み、無くなるのにな。






ねぇみんな。


大嫌いって、性格悪いって。





──この間まで仲間だったんだよ、私。




私、あんた達といる時、そんなに最低だったかな。性格悪かったかな。







私は、あんた達といるときが一番優しくなれてると思ってたんだけど。






それも、勘違い、だったのかな?







ズキズキ痛む胸を、握り締め俯くと視界が歪む。


目の奥が熱くなって、じわりじわり、涙がこみ上げてくる。






「…っ……」





あいつらのことなんかもういいって、さっき思ったはずだったのに。


あいつらのことで泣いて、私バカじゃんって思ってるのに。









でてくる涙は、止まらない。