篠原柚姫が、可笑しさを堪えきれないと言うような笑顔でニッコリと笑った。
──でも、彼女に心を乗っ取られている彼らはそれに気づかない。
……はは、なんだかなぁ。
私、なんもしてないじゃんか。
私のことを、信じてくれなかったのは、あんた達じゃんか。
なんでそこまで言われなきゃいけないんだろう。
口から笑いが溢れそうなのとは裏腹に、心臓がまた、痛い。
こいつらのことなんかで、もう傷つきたくないのに。
こんな奴らのことを、いつまでも引きずっていたくないのに。
でも、ズキズキと壊れそうなくらいの胸の痛みは止まらない。
もういっそ、このまま胸が壊れてしまえばいいのに。
…そしたらこんな痛み、無くなるのにな。
ねぇみんな。
大嫌いって、性格悪いって。
──この間まで仲間だったんだよ、私。
私、あんた達といる時、そんなに最低だったかな。性格悪かったかな。
私は、あんた達といるときが一番優しくなれてると思ってたんだけど。
それも、勘違い、だったのかな?
ズキズキ痛む胸を、握り締め俯くと視界が歪む。
目の奥が熱くなって、じわりじわり、涙がこみ上げてくる。
「…っ……」
あいつらのことなんかもういいって、さっき思ったはずだったのに。
あいつらのことで泣いて、私バカじゃんって思ってるのに。
でてくる涙は、止まらない。



