真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




こんなんじゃ、ダメだ。


グッと下唇を噛んで、なんとなく来ていた屋上の扉に手をかける。



ギイッと、鈍い音がなって中に足を踏み入れた時、





「──大丈夫!?柚姫、おちついて」




突然聞こえた声に、とっさに死角になってるところに隠れた。




…ばれてないよね?




そっと影からのぞいて、私の存在がばれていないことに安堵のため息を洩らす。




さっきどこかに立ち去った、青嵐の幹部の四人と篠原柚姫。


まさかここにいるなんて。


…しくじった。




「うっ…、ひっく」



「大丈夫だから、ね?泣き止んで、柚姫ちゃん」



「皆、ほんとに日向ちゃんとはもう何もない…?」



「ほんと!大丈夫だから信じろよ柚姫。俺らはあいつのことなんか大っきらいだっつの」



「さっきだって、白状させようと思ってしゃべってたんだよ~、だからほら、泣かない泣かない」



「そ、なの…?私のコト殴った事とか自分から白状してくれた…?」



「それがさ~、全然なんだよね~。挙句の果てに柚姫ちゃんが自作自演してるとかほざいてて。性格悪すぎでしょ?」



「ひっく、そんなことしないのに…っ日向ちゃんひどいよ………」



「ゆーちゃんのこと誰も疑ったりしないから安心しろよな!」



「本気でどーすんの?アイツ。次吐かなかったら罰が必要なんじゃね?」



「ん~、そうだね~。次、もし柚姫ちゃんの事悪く言ったり認めなかったり、生意気な口利いたらいっぺんシメとこ~」



「そーするしかないよな。ちょっと乱暴するけど、柚姫ちゃんがまんしてな」



「う、ん…。怖いけど、皆私のためにやってくれてるんだもん。ありがと!」