彼らはそれくらい、この学校の人達にとって憧れの人だった。
──そんなことを忘れちゃうくらい。
私は近くにいたんだなぁ。
懐かしい、けどどこか切ない思い出を頭に浮かべて。
私は夕焼けに照らされた廊下を歩いて教室へ向かった。
茜に、【今日は、文化祭の用意が大変だから倉庫にいけない】そう送って、だれもいない教室でひとり、制服に着替えた。
濡れた髪の毛は軽く拭いて、頭はティッシュで押さえつけて止血する。
でも、傷のわりになかなか止まらない血に嫌気がさして、私は押さえたまま作業を始めた。
もくもくとダンボールに書いてある絵に、色をつけて。
全部のダンボールの4分の3くらいは塗り終わったところで、スマホが振動した。
「電話?…茜?」
画面に表示されている文字をみて、意外だななんて思いながら通話をタップした。
『おい、お前今日こねえの?』
「…あ、やっぱり茜だ」
『やっぱりってなんだよ。つか、文化祭の準備そんな夜までかかんねぇだろが』
「まだまだやることあるんだもん!悪かったな!明日までに、教室完成させなきゃいけないから今日はいけない!」
『明日までに、ねぇ?』
「な、なにさ」
曰くありげな言い方をした茜に警戒心を抱いていたのに、そんなのは一瞬で吹き飛んだ。
ガタガタ、と耳元で音がなって一瞬耳から離す。
もう一度近づければ、何か争うような声が聞こえて。
『ちょ…めろ…!』
「茜?」
聞き返して耳を近づけた──のが、失敗だった。
『日向!!オレオレ!なんでこねーんだよ寂しい!!…ミッキーさんずるいっす!ひーちゃんがいねーとつまんねぇよー!…おい、俺にも。日向、エビあるぞ?…だ…おれ…
──ガタ!ゴトゴトガタン、ゴッ!
だからてめーら自分のスマホでかけろよこのアホ!!ワリィ、じゃあな日向!』
一方的に喋って、切られた電話に私は数秒呆気にとられた。
──そんなことを忘れちゃうくらい。
私は近くにいたんだなぁ。
懐かしい、けどどこか切ない思い出を頭に浮かべて。
私は夕焼けに照らされた廊下を歩いて教室へ向かった。
茜に、【今日は、文化祭の用意が大変だから倉庫にいけない】そう送って、だれもいない教室でひとり、制服に着替えた。
濡れた髪の毛は軽く拭いて、頭はティッシュで押さえつけて止血する。
でも、傷のわりになかなか止まらない血に嫌気がさして、私は押さえたまま作業を始めた。
もくもくとダンボールに書いてある絵に、色をつけて。
全部のダンボールの4分の3くらいは塗り終わったところで、スマホが振動した。
「電話?…茜?」
画面に表示されている文字をみて、意外だななんて思いながら通話をタップした。
『おい、お前今日こねえの?』
「…あ、やっぱり茜だ」
『やっぱりってなんだよ。つか、文化祭の準備そんな夜までかかんねぇだろが』
「まだまだやることあるんだもん!悪かったな!明日までに、教室完成させなきゃいけないから今日はいけない!」
『明日までに、ねぇ?』
「な、なにさ」
曰くありげな言い方をした茜に警戒心を抱いていたのに、そんなのは一瞬で吹き飛んだ。
ガタガタ、と耳元で音がなって一瞬耳から離す。
もう一度近づければ、何か争うような声が聞こえて。
『ちょ…めろ…!』
「茜?」
聞き返して耳を近づけた──のが、失敗だった。
『日向!!オレオレ!なんでこねーんだよ寂しい!!…ミッキーさんずるいっす!ひーちゃんがいねーとつまんねぇよー!…おい、俺にも。日向、エビあるぞ?…だ…おれ…
──ガタ!ゴトゴトガタン、ゴッ!
だからてめーら自分のスマホでかけろよこのアホ!!ワリィ、じゃあな日向!』
一方的に喋って、切られた電話に私は数秒呆気にとられた。



