真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】



「だまってないで、なんとか言えよ…!!」



悲しそうな瞳でそういうその子は手に持ったバケツを振り上げた。


ホースのときよりも、強い水圧で。


私の全身に降りかかったそれと一緒に、落ちてきたのはバケツ。


私を押さえつけていた子はとっさにどいたけど、私が起き上がるのは流石に間に合わなくて。



ガコン!!──ガコッガラガラ…



トイレに激しい音がなり響いた。



頭に、鋭い痛みが走る。


「痛い…」


「ひっ…!!」



ズキズキする場所を押さえていると、手に生ぬるいものが伝った。



私の頭から指を伝って。

私の下の水溜りの中にポチャンと垂れたソレは、赤い波紋を広げた。




目の前にいた2人は、正気に戻ったみたいにバタバタとその場所から素早く立ち去る。


そんな背中を眺めてから、私は自分の指先に目線を落とした。



「血…」



どうやら、あたりどころが悪く少し切れてしまったみたいだった。



頭って、血がでやすいからなぁー。



最近、生傷が絶えないせいかそんなのんきなことを考えながら、よっこらしょと立ち上がった。



「全身、水浸しだし…」



はぁ、とため息をついてジャージを絞っていく。



平常心を保ちながらも、さっき言われた言葉が頭でリピートされる。


いつも投げかけられてる暴言よりも重みがあって。

今まで、私たちの問題だって思ってたのに、それはちょっと違ったんだって気づかされた。


周りにも影響を与えるくらいの、大きい存在なんだ。


──そういえばそうだった。