真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】



「逃がすわけないじゃん」


クスリ、笑ってその子はまた水をだした。


「ちょっ…!」



今度は顔じゃなくて、ジャージに。



「汚いから、ちゃんと洗ってあげないとね?」



通気性の良いジャージがびちょびちょになるのは一瞬のことで。


逃げる間もなく、全身がびしょ濡れになった。



まだ、この後、教室の装飾しなきゃいけないのに。



そう思い、私は隙をついて走りだした。


──けど。




ガッ!!足首に衝撃が走って、気づいたときには私はトイレの床に転んでいた。


「だから、逃がさないって」


クスクスクスクス、トイレに2人の笑い声がこだました。




──今までの子より、しつこい。



私をいじめるのが楽しくてやってる人たちとは違う。


目には、憎悪の色が滲んでいた。


重なった視線に、ドクン、心臓がイヤな音を立てる。



ジャージの首元をグッとひっぱられて、水のでているホースを容赦無く入れられた。



「…っ!?」


驚いてる私に見向きもせず、また笑い声を上げるその子。


そして、もう1人の子はいつの間に用意したのか──手にバケツをもっていた。


逃げようにも、床に倒れこんで押さえつけられた状態じゃ、立ち上がれない。


水がお腹に、下着に染み込んでくる。


気持ち悪い。