真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】





そして、最悪な気分の私に追い打ちをかけるように先生が言う。




「じゃあ今日は、校門に装飾する物の準備お願いします!」




…あぁ、もう本当に今日はツイてない。



今日はなるべく簡単なのが良かったのに。



頭の中にダンボールの広がった教室を思い浮かべて、ガックリ肩を落とす。



今日はやっぱり倉庫いけないかな…なんてため息をつきながら、私は会議室からでた。










それから1時間。


校門の前を飾り付け終わり、やっと教室に戻れると思ったところで──同学年の女子2人に腕を掴まれた。



「そのペンキ洗って上げるから、こっちついておいで!」


ニヤニヤ笑いながら、下駄箱の近くのトイレに連れていかれる。



なにをされるのか分かってしまって、腕をぶんぶん振りほどいて逃げたけど後ろにいたもう1人の女子に背中を蹴られて。


転がりこむようにトイレに入ってしまった。



「いった…」


「何床に手ついてんの?汚いな」

「じゃあ洗ってあげるね」



いままではバケツだったのに。



その子は、水道についているホースをもって蛇口をひねった。




突然のことに対応できなくて、顔に勢い良く水がかかる。



「ゲホッ…!」



口の中に入って来た水は、変なところに入って苦しくなった。


息をしようとしても、水が邪魔で息ができない。



──まるで、あの時みたいだ。

──息ができなくて。




過去にとらわれ始めた頭の中。



どうすることもできなくて。


思い出してはいけないと、警告しているのに蘇ってくる。



ダメだ、ダメ、だめ。





「は、ゲホッ、はぁはぁ、はぁ」




頭の中が過去で埋め尽くされる寸前に、顔にかかってた水が止まって。



息ができるようになった私は我にかえり、なんとか過去から抜け出すことができた。



あぶな、かった。



こんな奴らの前で、弱さを見せてしまうところだった。



力が抜けそうな膝に、グッと力を入れて逃げるために一歩踏み出すと。