私が思い出した光景は、私がまだ青嵐の姫で。 私は、名前だけの姫なんだって傷ついて。 篠原柚姫しか見てない皆を見ていたくなくて、幹部の部屋から飛び出した“あの日”。 倉庫の裏にきて、ドラム缶に背中を持たれかけてズルズル地面にへたりこんで。 なんで?そう思いながら、声を押し殺して泣いた、──“あの日”だった。 そうだ、あの日泣き終わって立ち上がった時。 目があって、今と同じ眉を下げた顔で笑いかけてくれた青嵐の下っ端は──須佐くんだったんだ。