本当になんの会話もなく、横に並んで学校に向かって歩く。
校門の前まで来て、最後の一粒のタピオカを噛んで飲み込んだとき、須佐くんはピタリと足を止めた。
須佐くんよりも何歩か多く歩いた後、止まって振り返る。
「須佐くん?」
足を止めて俯いている須佐くんが、心配になって私は須佐くんに近づいた。
顔を覗き込むと、また。その表情。
言おうか、止めようか、迷ってる表情。
言いたくないなら、別にいいんだ。
けど、
「なにか、言いたいことがあるなら。
言って欲しい」
迷ってるってことは、言いたい気持ちがないわけじゃないはず。
私のその言葉に、肩を揺らした須佐くんはゆっくり顔を上げた。
眉を下げたその表情を───あぁ、そうだ。私前に、一度見ている。
何が言いたいのか、分かってしまった気がする。



