真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】




ねぇ、もう。





ねぇ、いいかげんにしてよっ…。




「なにそれ…、私のこと疑ってんの?やってないってば!」


「お前じゃなかったら誰なんだよ!」


「他にもいるでしょ!?女子なんかいっぱいいるじゃん!」


「柚姫が言ってんだよ!お前と別の人を見間違えるわけねーだろ!」



握った拳が、震える。


なんでかな、悔しい。


ねぇ、私、悔しいよ。


「…みんなして。みんなして、なんで篠原柚姫のこと疑わないの?あの子が嘘ついてるとは思わないの…!?…みんな変わっちゃったね、私の話に耳を傾けてもくれなくなっちゃった」





「…変わったのはおまえだろ。


…違うか。


──もとから最低な奴だっただけか。


お前みたいに、柚姫をちゃんとわかってねぇ奴が柚姫を悪く言うんじゃねぇよ」









“もとから最低なやつだった”









今まで仲間とか言ってたのはどうなったの?


もとから最低なヤツだったって、なに…?




……篠原柚姫のことを、ちっとも分かってないのは。



自分の恋に溺れて、仲間だった人のこと疑うほど最低なのは。




仲間だった人の言葉も耳に入れられなくなったのは。






最低なのは、あんたたちのほうでしょ…?







…いやだ。




なんだろ、中哉の言葉で一気に感情が冷めていく。



すがるように中哉を見つめていた目が、どんどん冷たい目に変わっていくのがわかる。