俯いたまま一歩も踏み出せないで止まっていると、中哉達は平然と歩きだした。
よ、よかったはやく通りすぎて…。
ホッとしたのも束の間、彼らの足が私の前で止まった。
ドクン、胸が激しく疼く。
なんで……。
「怖くて俺らの目も見れねぇの?」
いきなり発せられた声に、ビクリと肩が跳ねる。
…喧嘩の時以外で、聞いたことない。
茂のこんな冷たい声。
「そりゃそーだよな。柚姫のことあんなにボロボロにしといて、俺らに合わせるツラもねーもんなぁ?」
「今でもゆーちゃんのこと虐めてるの、あんたでしょ」
「…何が不満なの?」
茂、夕、歩、海くん、違うよ。
…違うんだって。
「…あたしじゃない」
「はぁ…。まだそんなこと言ってんのかよ。お前じゃなかったら誰なわけ?」
「…あの子の、自作自演」
「…苦しまぎれもいいかげんにしろよっ…!ふざけんな!」
「ゆーちゃんは、そんなことしない…!姫に戻りたいからって、変な嘘つくな!」
…やっぱり信じてくれないよね。
もう、なんて言っても、信じてくれないのは目に見えてる。
…みんな、騙されちゃってるよ。
あの子に。
「───あ!いたいた!みんなぁ!探したんだからねっ!」



