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「おい、日向なにサボってんの」
「うう、面目ないっす…」
よかった、とりあえず私の噂は南の耳に届いてないみたい。
明日になったらきっと本格的に広まってくるな。
でもま、明日南が来るかどうかも分かんないし。
余計な心配は、かけたくない。
旧美術室でおにぎりを急いで頬張ってる途中、「あ」と思い出してコンビニの袋をガサゴソ漁る。
「ん、南。チョコあげる」
「え?おーさんきゅ」
ちょっと不機嫌な顔をしてた南は、コロッといつもの笑顔に戻った。
…南も相当単純だ。
って、知らなかったけど南チョコ好きなんだね。
笑顔で南と喋りながら、サラダを口に頰張る。
…でも、さっきからゴクリと飲み込む度に腹部に痛みが走るのが気になっちゃって仕方ない。
顔ひきつってないよね?
痛みどめが効いてるのか、すごい痛いわけじゃないんだけど。
表情に気をつけながらお茶を飲み込んで、私は立ち上がった。
「よし、じゃあ次の授業に遅れるといけないからいくよ!」
「…それサボったやつの言うことか?」
き、気にしない気にしない。
私は聞こえないフリを貫き通し、南と別れて教室に入った。
けど、入ってすぐ。
私は自分の机があったはずの場所をみてびっくりした。
…机、行方不明。
まさかこれって、俗に言う嫌がらせ?いじめ?
うわぁ地味にイヤだ!



