でも、その半分の声は私が顔を上げると一瞬で止まった。
私の左頬にはってあった、シップ。
それが水の水圧で剥がれて落ちた。
むき出しになったのは、できたばかりの紫よりももっと酷く見える、治りかけの赤黒い大きいアザ。
左側にいた人たちは、それをみて息を飲む。
隠せきれない笑いを口元に浮かべていた篠原柚姫の顔も、驚愕の色に染められた。こういうのはあまり見たことがなかったんだろう、一瞬で目をそらされた。
そんなんで、姫をやってるなんて。
…ねぇ夕、あんた本当に顔と地位しか見られてないね。
何と無く、青嵐の人たちに同情してしまう。
もちろんそれは、心の底からの「可哀想」では無くて。
青嵐の愚かさに呆れて出る「可哀想」なんだけれど。



