目線を合わせない私を小馬鹿にするように笑って、夕は無理やり目線を合わせてきた。
足が震える、手も震えてきて、私は手と手を握り合わせた。
やだ、怖い。
なにも言わない、夕の口は不機嫌そうに歪められていて。
目からは、憎悪と軽蔑と殺気が伝わってきた。
──あ、これ、まずい。
喧嘩する前の、不良の目。
怒りのこもった、目。
これは、くる。
やばい、よけなきゃ。
だって私、最初はこういうときのこと予想して喧嘩教えてもらってたんだし。
──けど、だけど、駄目だ怖くて動けない。
頑張って、一歩動かそうとしたときには夕のパンチは私のお腹にめり込んでいた。
「お前、うぜぇ」
吐き捨てるように言われた、言葉。
そのまま通り過ぎて行く夕。
倒れこむ、私。
最初は悲鳴を上げたくせに、次の瞬間には爆笑し始めた周りの人。
──痛い。



