やっぱり、皆のこと思い出すとどこでも心が軽くなってしまう。
先生が教室に入って来たから、私はスマホをしまって、頬の緩みを直し前を向いた。
──そして、宣言通り。
毎時間の休みのたびに私のところに遊びにくる南と笑ってふざけあって。
楽しくて楽しくて仕方なかった。
教室でこんなに楽しいのは久しぶりで、軽く泣きそうになってしまった。
最近、涙もろくて困ってしまう。
でも次は4時限目の移動教室。
4時限目でるの久しぶりだなと思いながら、私は教科書などを持って教室から出た。
別棟への通路を通り歩いていると、向こう側から甲高い女子たちの騒ぎ声が聞こえてくる。
な、なに?
ビビりながらもそのまま歩いていると、そんな女子の間を抜けて歩いて来たのは──不機嫌な顔の、夕だった。
久しぶりに、ガッチリ重なった目線はそらすことができない。
睨むように、殺気を漂わせて歩いてくる夕に嫌な予感がして止まっていた足を進める。
けど、足はなかなかうまく進まない。
怖くて、震える。
彼らは私が襲われても別に良いって思ってる、そんな風に思われるくらい嫌われてる。
──そのことが怖くて、仕方ない。
不規則に動く心臓を直すように、教科書をぎゅっと両手で握りしめた。
ぎこちなく、でも早足に歩いて。
やっと夕の横を通り過ぎれる──そう思って息を吐こうとしたときに。
私の腕は夕によってガシリと掴まれた。
ビク!突然のことに跳ねた私の肩。
周りにいた女子たちからは、小さな悲鳴が上がった。
きっと、私が姫をやめてから皆の前で青嵐と関わるのは初めてだ。
夕の目をみたら、拒絶しちゃいそうで。
怖くて怖くて怖くて、立っていられなくなりそうで。
夕の方は向かず「なんの、よう?」震える声でそう問いかけた。



