──姫だったときのことは、いっときの夢で。
今が夢から覚めた現実。
私は、仲間なんてつくっちゃいけなかった。
…私は、幸せになっちゃいけないんだよ。
だって私は許されない過去が────そこまで考えて、ハッとする。
また思い出しちゃった、駄目だ。
バカみたいに思いだして、泣きそうになってしまう。
姫を辞めてからの、悪いくせだ。
…気分かえよう。
さっと席を立ち上がり、トイレに行く。
よかった、誰もいない。
誰かいたら、めんどくさいことが起こるか気まずくなるかのどっちかだし。
トイレの鏡の前に立って、私は前髪を止めてあるピンをつけなおす。



