なんとか誰にも遭遇しないで無事に半分くらい空き教室に近づけたときのこと。



職員室から歩いてきた、生徒指導の禿げてる先生に見つかってしまった。



「…あ?おい、お前この学校のやつじゃねぇだろ!」


「やべ、俺ばれたわ〜」


そういって、頭をかいて笑う暁に私は目を見開いた。



「えええ!?ばれたわ〜じゃないでしょおお!やばいじゃん!はやく逃げなきゃ!」


「お前らちょっとまてやぁぁ!」


「ひぃぃ!ほらはやくうう!」


「仕方ねえ、逃げるか」


だからそういってんじゃん!

のんきに走りだした暁をすごい形相で追いかける禿げてる先生にビビりながらも、私も走りだした。


けど。


「痛い痛い!傷に響くぅぅ」


痛すぎて走れない!


途中で止まった私の後ろを走ってくる暁に、「別の方向いってよ!!」と言うけど笑いながらスルーされた。


ど、どうしよう!


「南ぃぃ!お助けぇ!」


前を走る南に手をのばすと、仕方ねぇという顔で私の方に走ってくる。