『悪いけど、姫辞めてもらえるかな?』
………やってないってば。
はじめて向けられた海くんの冷たい目線に、ズキンとまた胸が疼く。
それと同時に、目頭が熱くなった。
…ダメ、泣くな。泣くな。
『…姫を、やめる?』
『そう。悪いけど、ゆーちゃんを姫にしようと思ってるから。ひなちゃんがそんなことする子だと思ってなかった』
あゆ、む。
──みんな、私を信じてはくれないんだ。
…これが、篠原柚姫の計画か。
私から、姫の座を奪うための。
恋は人を変えてしまう、そのことを篠原柚姫は知っていたんだ。
そして、その篠原柚姫の計画にみんなはまんまとのせられて。騙されてる。
一年間仲間だった私のことよりも、最近現れたばっかりの好きな人のことを信じちゃうんだね。
でも私姫じゃなくなったら、せっかく見つけた存在する意味、なくなっちゃう。
『みんな信じてよ…。私、やってないよ?その子が嘘ついてるんだよ!!?』
『…は?ふざけるのもいい加減にしろよ…!!俺らはお前に騙されてた。そんな最低な奴が今まで仲間だったなんて虫酸がはしんだよ』
『柚姫ちゃんが嘘をついてるようには見えない。いいからでてって、倉庫から』
なんで、なんでっ…!?
『ねぇ、中哉!信じてくれるでしょ?ねぇっ……!!』
信じてくれるっていったじゃん。
認めてやるっていったじゃん。
私のこと認めてくれたのも、信じてくれたのも、中哉達だけなのに。
『お前のことなんかもう仲間とも思ってねぇよ。
…でてけ。倉庫から。
───もう一生入ってくんな』
信じてくれなかったら生きてる意味、また、
……なくなっちゃうじゃん。
『なんでっ…!信じてよ中哉っ!!』
『…っ、いいからでてけっつってんだろ!!!』



