そして──数分後。
なんとか2人を倒し、残りは1人になった。
急所ではないけど、何発か入れられた重い蹴りに私はフラついていて。
相手に、何回か入れることはできたけど一回しか急所に入れられてない。
「お前、フラフラなのに良くやるな、逃げてもいいぜ?」
笑って挑発して来たそいつは、私がもうあんまりスピードを出せないとおもっているんだろう。
油断してる──全力をだせば、今ならいける。
グッと拳と足に力を入れて、私は走って背後に回って首の後ろの急所にパンチを入れた。
「ぅっ、」
小さくうめき声を上げて倒れていくのをみて、私は蹴られたところの痛みに耐えきれず膝から崩れ落ちた。



