勝敗のわからない勝負はやっぱり、怖い。 「じゃあ、どっからでもかかってこい」 目の前にいる四人の中の一人のその言葉で、私は彼らに向かって歩き出した。 一歩一歩、近づいていく私にこの場の空気がピリッとした。 距離をつめていく、私にむかって1人が拳を構える。 ──まだ。 まだ、手は出さない。 もう少し、もう少し。 慎重に一歩一歩進んで、自分の思う通りの距離まで間を詰めた時、私は足にグッと力を入れた。 ──今。