真実と嘘〜Truth or Falsity…*〜【上】


勝敗のわからない勝負はやっぱり、怖い。



「じゃあ、どっからでもかかってこい」



目の前にいる四人の中の一人のその言葉で、私は彼らに向かって歩き出した。



一歩一歩、近づいていく私にこの場の空気がピリッとした。


距離をつめていく、私にむかって1人が拳を構える。




──まだ。



まだ、手は出さない。


もう少し、もう少し。


慎重に一歩一歩進んで、自分の思う通りの距離まで間を詰めた時、私は足にグッと力を入れた。





──今。