口から漏れた嗚咽と、同時に霞む視界。



やだもう、何回目だコレ。


今日は泣きすぎだ。


ポロ、片目から涙が零れると同時に腕をグッと茜に引き寄せられた。


茜の肩におでこが当たっている状態になる。


恥ずかしくなって、離れようとすると頭を抑えられた。



「辛かったんなら、強がってんじゃねぇ。誰かに寄りかかれ。助けてって、今日みたいに言えよ。お前ぐらいいつでも助けてやれる」




だから、なんで時折そういう優しさをみせてくるの。


意地悪に笑ってるくせに、そうやって優しい言葉をかけてくるところが憎くてたまらない。



──でも。



「ありが、とう」



茜の言葉と行動で、さっきまで心の中にあった重苦しさが少しずつ取れていく。



涙が引いた目元を拭いて、そう告げた。




「茜、いきなりだったのに助けに来てくれてありがとう」



「おう」



「茜、話し相手として仲良くしてくれてありがとう」



「おー」




「これからは、仲間として仲良くできるように。一週間しっかり頑張るから」




茜が私の頭から手を離したから、顔を上げて言う。



いつもどうり片方の口角を上げて意地悪く笑った茜は、「せいぜい頑張れよ」と言った。



「気持ち、楽になった。ありがとう茜!また明日!」



茜の意地悪な笑顔につられて、私の顔も自然と笑顔になる。