そう言いながらケラケラ笑う柚姫ちゃんは、さっきまでとは真逆の雰囲気になっていた。
ドクン、ドクン、心臓は余計に煩くなる。
『柚姫ちゃん…?』
この子は、ほんとうにあの子?
『てゆーか、あんなに男がいるのに誰もあんたのこと好きにならないって、女として見られてないんじゃないの?』
戸惑いつつも、整理がついてきた頭でなんとか口を開いた。
『…べつに見て欲しいとも思ってないよ。私たちは仲間で、仲間以上にはならないから』
『ふーん…。じゃあ、5人とも私が落としてあげるね?中哉は私のこと好きになったからー、あと4人。みんなが私のこと好きになったらあんたから、
…姫の座を奪ってあげるね?』
なに、いってんの…?
『は?なんで…』
『私、欲しいものは何をしてでも手に入れるタイプなの。彼らも、姫の座も、ね?』
そういって、トイレから出て行った篠原柚姫を私は甘く見ていたんだ。
姫の座から簡単に降ろせるわけないと。
彼らが好きになるなんてありえないと。
でも、たった2週間。
どんな手口を使ったのかなんて知らないし、知りたくないけど。
気づいたらみんなが篠原柚姫を好きになってた。
青嵐の倉庫にいっても、私は、
いらない存在。
誰も話しかけない。
篠原柚姫を自分に振り向かせようと必死になっている。
私に向けられていた言葉は、
『送っていってあげるよー』
『あした教室まで迎えにいくからまってろ』
篠原柚姫にむけられた。



